来春の「国立健康危機管理研究機構(JIHS)」の新設に向け、武見敬三厚生労働相は26日、東京都新宿区の国立感染症研究所と国立国際医療研究センター(NCGM)を視察した。両施設の職員に対し、「いずれ来るパンデミックに備え、国民の命を守る基本を担う自覚を持ってほしい」と呼びかけた。
JIHSは、感染研とNCGMの再編により、2025年4月に発足する予定だ。感染症対応の司令塔となる「危機管理総局」をはじめ、5部門で組織を構成する。
●「英語も基幹言語に」 厚労相が提案
武見厚労相は、NCGM内で職員に訓示。新型コロナへの対応について、「皆さまの献身的な取り組みにより、乗り越えることができた」と謝意を述べた。
JIHS発足に向けては、「全ての職員が平時・有事に担う役割を認識し、自覚を持って自立的に行動できる組織づくり」を求めた。
さらに、次の2点を提案した。▽世界中の感染症対応機関と連携するため、日本語に加えて英語を基幹言語とする▽「ヒトのエコシステム」構築へ、国内外のアカデミア・研究機関などと連携協定を積極的に結ぶ―。
この日は、JIHSの第1回設立実行委員会が非公開で開かれ、武見厚労相も出席した。